境界事例と知財紛争に強い!知財訴訟支援型弁理士

登録困難審決取消侵害訴訟高難度知財専門
新宿御苑前知的財産相談室


【完全予約制】東京綜合知的財産事務所運営
  知財相談11,000件超/侵害相談6,000件超

新宿2丁目「当たり」の弁理士 

お客様満足度NO.1をお約束

面倒な知的財産なら
LGBTQ★弁理士ともちゃん

03-3354-2041

ご指名はお問合せフォームから

PCT出願の考え方~事業戦略として一体不可分

PCT出願は「どの国へ、いつ移行するか」が重要~国内移行を事業戦略として考える

PCT出願をしたからといって、すべての国に特許出願をしなければならないわけではありません。

むしろ、PCT出願後に重要になるのが、

「どの国へ、いつ国内移行するのか」

という判断です。

PCTは、複数の国で特許権を取得するための重要な制度ですが、最終的に特許権を取得できるかどうかは、それぞれの国・地域の特許庁が判断します。

そして、各国への国内移行には、弁理士費用、特許庁費用、翻訳費用など、相応のコストが発生します。

だからこそ、PCT出願後の国内移行は、単なる特許手続ではなく、事業戦略と結び付けて考える必要があります。

すべてのPCT加盟国に移行する必要はない

PCT出願では、多数の国を指定することができます。

しかし、実際にすべての国で特許権を取得しようとすれば、莫大な費用が発生します。

例えば、国内移行先が増えれば、

  • 日本の弁理士・特許事務所の手数料
  • 各国の現地代理人費用
  • 各国特許庁の手数料
  • 特許翻訳費用
  • その後の審査対応費用
  • 登録後の維持年金

などが積み重なっていきます。

したがって、

「PCTを出願したから、できるだけ多くの国へ移行する」

という考え方が、必ずしも合理的とは限りません。

重要なのは、その国で特許権を取得することが、事業上どの程度の意味を持つのかという視点です。

PCTの国内移行には「時間」が与えられている

PCT出願では、優先日から原則として30か月を目安として、各国・地域の国内段階への移行を検討することになります。

WIPOも、PCTの国際段階の終了時には、「どの国で保護を求めるのか」を判断して国内段階へ移行する仕組みであり、国内移行の期限は通常、優先日から30か月であると説明しています。もっとも、国・地域によって期限が異なる場合があるため、個別の確認が必要です。

この30か月という期間は、単なる「待ち時間」ではありません。

PCT出願後の事業展開、販売計画、資金調達、市場調査などを進めながら、

「どの国に特許投資をするのか」

を判断するための時間として活用することができます。

すべての国に同じタイミングで投資する必要はない

例えば、海外展開を予定している企業があるとします。

米国、中国、欧州、インド、UAEなど、複数の地域で事業展開を検討しているとしても、それらすべてに同じタイミングで同じ金額を投入する必要はありません。

例えば、

  • 米国での事業開始が近い
  • 中国で現地生産を開始する予定がある
  • 欧州で販売網を構築する
  • インドへの投資を予定している
  • UAEを中東事業の拠点とする

といった事情があれば、それぞれの事業計画に応じて特許投資の優先順位を考えることができます。

例えば、UAEで具体的な事業投資を行うのであれば、UAEでの権利化を優先する。

インドでの事業展開が近いのであれば、インドへの国内移行を優先する。

このように、

事業への投資時期と特許への投資時期をリンクさせる

という考え方があります。

特許費用を「分散」させるという考え方

海外特許の費用は、一度に発生するとは限りません。

PCT出願を利用することで、各国へ直接出願する場合よりも、各国での権利化について判断する時間を確保できます。

そして、国内移行の段階では、

「今、この国に特許投資をする必要があるのか」

を改めて考えることができます。

もちろん、各国の期限を守ることが大前提です。

そのうえで、事業計画に応じて国内移行先を選択することにより、特許関連の支出を事業投資のタイミングに合わせて管理することができます。

これは、特に海外展開を複数国で行う企業にとって重要な視点です。

PCTの国際調査報告も重要な判断材料になる

PCT出願では、国際調査報告(ISR)や国際調査機関の書面による見解(WO-ISA)などが作成されます。

国際調査機関の書面による見解では、請求項に係る発明について、新規性、進歩性、産業上の利用可能性などについて予備的かつ拘束力のない見解が示されます。

これらの資料は、その後の各国への国内移行を判断するうえで重要な材料になります。

例えば、国際調査の結果から特許性について厳しい評価が示されている場合には、

「本当にこの国まで移行して権利化を目指すのか」

を改めて検討することができます。

反対に、比較的良好な評価が得られている場合には、その結果を踏まえて国内移行後の権利化戦略を検討することができます。

ただし、PCTの国際調査報告や書面による見解は、各国の特許庁を拘束するものではありません。

最終的な特許性の判断は、国内移行後、それぞれの国・地域の制度に従って行われます。

したがって、

「PCTで良い評価だったから、その国でも必ず特許になる」

という意味ではありません。

PCT段階から請求項を戦略的に考える

国内移行を見据えるなら、PCT段階から請求項の設計を考えておくことも重要です。

例えば、最初から非常に広い請求項だけを設定するのではなく、明細書には広い技術概念を十分に記載しつつ、請求項については具体的な実施形態に近い構成を中心として権利化を目指すという考え方があります。

そして、その後の各国での審査結果や事業展開を見ながら、必要に応じて補正や分割出願などを検討します。

もちろん、これは発明の内容や各国制度によって異なります。

重要なのは、出願時点から将来の権利化までを一つの流れとして設計することです。

海外特許は「出願費用」だけではない

海外特許を考える場合、国内移行時の費用だけを見るのも危険です。

その後には、

  • 現地代理人費用
  • 拒絶理由通知への対応費用
  • 補正・意見書の費用
  • 継続的な翻訳費用
  • 登録時の費用
  • 維持年金

などが発生する場合があります。

特に欧州、米国、中国など複数の主要市場で権利化を進めれば、その後の維持・権利化コストも無視できません。

現在は為替の影響もあり、ユーロや米ドルなどで発生する費用を円換算すると、海外知財コストが企業財務に与える影響は決して小さくありません。

だからこそ、

「どの国に出すか」だけでなく、「どの国に、いつ、どれだけ投資するか」

を考える必要があります。

そして、特許事務所側にもファイナンスの問題がある

ここからは、特許事務所経営の話です。

海外出願を多数扱う特許事務所では、クライアントに代わって海外代理人への費用を支払うなど、一時的に大きな立替金が発生することがあります。

特に、複数のPCT出願が同時期に国内移行を迎える場合、立替金が大きくなる可能性があります。

そのため、特許事務所の経営では、単純に売上や利益だけを見るのではなく、

「どれだけの運転資金が必要になるのか」

という視点も重要です。

もちろん、海外出願費用について事前にクライアントから入金してもらうという方法もあります。

むしろ、高額な海外出願では、こうした資金回収の仕組みをあらかじめ設計しておくことが重要でしょう。

特許事務所側としても、海外代理人の選定だけでなく、

「このクライアントは、今後発生する海外知財費用を継続的に負担できるのか」

という視点を持つことがあります。

国際知財業務は「知財×事業×ファイナンス」

PCT出願は、国際的な特許権を取得するための手続です。

しかし、その後の国内移行を考えると、単なる出願手続では終わりません。

どの国に事業展開するのか。

その国でどの程度の売上・投資が見込まれるのか。

競合企業はどこに存在するのか。

特許権を取得することで、どのような事業上のメリットがあるのか。

そして、そのためにどの程度の知財投資が可能なのか。

こうした事情を総合的に考える必要があります。

国際知財戦略は、知財だけでは完結しません。

私は、

知財 × 事業戦略 × ファイナンス

という3つの視点から、PCTの国内移行を考えることが重要だと考えています。

PCT出願をしたら、30か月後に機械的にすべての国へ移行する。

そうではなく、

「どの国で、いつ、どれだけ特許に投資するのか」

を考える。

これこそが、PCTを利用した国際特許戦略の重要なポイントだと思います。

お気軽にご来所ください

高難度知財案件のご依頼なら…

  • 知財相談
  • 特許出願
  • 商標出願
  • 意匠出願
  • 異議審判
  • 侵害警告
  • 侵害鑑定
  • 侵害訴訟
  • 知財調査

新宿御苑前知的財産相談室
お電話受付時間:月〜金 9:00~18:00
東京綜合知的財産事務所までお問合せください。