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拒絶理由通知対応

特許出願、意匠登録出願、商標登録出願では、晴れて出願した後に、法律上の拒絶理由に該当すると特許庁の審査官が認めた場合、特許庁から拒絶理由通知が発送されます(なお、実用新案は無審査登録主義なので拒絶理由通知は発送されません)。

拒絶理由通知に対しては、出願人は反論する機会が与えられます。現時点で、特許出願では指定期間が60日意匠商標登録出願では40日になっています。ただし、これらは、一定の場合、有料で延長することが可能です。

 

ところで、これらの拒絶理由通知を放置しておくと、やがて拒絶査定に至り、拒絶査定が確定すると、もはや権利化することができなくなります。拒絶査定後に分割出願することができたとしても、また同様の拒絶理由が通知されることがあります。


このため、拒絶理由通知が発送されてきた場合、権利化するためには、それに対応(反論)しなければなりません。絶対に反論しなくてはならないのです。

ここで、反論といわれてもピンとこないですよね。

何をどのように論破すればいいのか、慣れているはずの弁理士でも難しいことが多いです。


私の持論では、弁理士は、拒絶理由通知にきちんと対応できるか否かで、一流かそれ以下かが決定するものと考えています。

つまり、拒絶理由通知の対応は、弁理士としての腕の見せ所でもあるわけです。

拒絶理由通知にきちんと対応できなければ、拒絶査定になったり、運良く特許査定になっても、極めて狭い権利範囲の特許になったりします。権利範囲の狭い特許は、設計変更等による特許回避の逃げ道も多く存在するため、一般には価値の低い権利と評価されています。


この拒絶理由通知に反論するためには、

本願発明や引用発明(引用例に記載された発明)の内容を熟知していることは当然の前提としつつ、

少なくとも、特許庁の審査基準(欲を言うと、審決例、判例)を頭に入れ、かつ理解しておかなければなりません。

発明者が特許出願の内容を熟知していても、特許書類において、本願発明と引用発明との差異が明確になっていなければ、特許査定には至りません。この見極めがとても困難になるケースが少なくないのです。

 

このため、特許出願の経験が少ない、いわゆる素人さんでは、反論しても、認められない場合がほとんどです。特許庁の審査官に対して、技術内容の相違を丁寧に説明しているのに、特許査定にならない理由のひとつは、特許書類である特許請求の範囲において本願発明と引用発明の差異が明確になっていないことが原因です。手続補正書において、本願発明と引用発明との差異を明確にするような補正を行う必要があります。

しかも、新規事項の追加にならない範囲で、換言すれば、出願当初の特許明細書又は図面に記載されている範囲で、補正することが法的に要求されています。したがって、出願当初の特許明細書や図面において発明がどのように記載されていたのか、すべての結果がその出来具合に起因するといっても過言ではないのです。

 

そして、拒絶理由通知の対応で難しいところは、本願発明と引用発明の差異を明確することだけではありません。

本願発明と引用発明との差異が明確になったということは、特許要件の一つである新規性が認められたわけですが、特許要件には進歩性という要件も課されています。この進歩性の要件をクリアするために、意見書において、本願発明と引用発明との技術思想の相違をうまく説明していかなければなりません。

実務マターなことですが、補正書において本願発明と引用発明との差異が自明であるとして認められるならば、換言すれば本願発明の引用発明からの乖離が甚だ大きいものであれば、意見書での主張が多少甘くても特許査定に至るケースもあります。しかしながら、それは往々にして狭い権利範囲の特許になってしまっています。

意見書は、本願発明と引用発明との相違の説明を最小限に留め、権利範囲が広い特許権を創り出すための最も重要な法的書面です。

 

それでは、意見書において、本願発明と引用発明との相違を長々と説明すれば良いのでしょうか。結論から言えば、それを行うと、これまた権利範囲の狭い特許権が出来上がります。意見書では、進歩性が認められる程度の反論に留め、決して不要(余計)なことまで主張してはいけません。

意見書での出願人の主張が認められて権利になったとしても、意見書での余計な主張が原因で権利範囲を狭くする結果に至るからです(禁反言の法理)。この法理は、侵害品を製造販売している相手方に対して、特許権侵害の警告書を送付する場合や特許権侵害訴訟に突入した場合に顕在化してくるものであり、特許権の権利行使が認められない原因のひとつになります。

 

このため、意見書での反論では、どこまで主張すれば登録になるのかを見極めなければならないのです。ボクシングに例えるならば、相手のパンチを紙一重でかわす術というものです。身体を大きく揺さぶって相手のパンチを回避していては身体の消耗が大きくなり過ぎ、不利になります。これは特許でも同じで、本願発明と引用発明との差異が必要以上に大きくなるように補正し、意見書で詳しく説明していては、権利範囲の狭い特許にしかなりません。

 

ここが、実務で最も難しいポイントのひとつです。

 

それ以外でも、細かいところはたくさんあります。

例えば、特許の場合では、拒絶理由通知は、最初の拒絶理由通知と、最後の拒絶理由通知の2種類存在しますが、どの拒絶理由通知かで、補正が可能となる範囲が異なっていたりします。

このため、補正を適切に行うためには、法律上の知識を理解し、かつ頻繁に改正される法律を常に勉強しておかなければなりません。

 


いかがでしょうか?

素人さんでは、歯がたたないでしょ?

何度もいいますが、この拒絶理由通知こそが我々弁理士の腕の見せ所になるのです。


弊所では、拒絶理由通知の内容を的確に見抜き、権利範囲をあまり狭くすることなく、登録されることを得意にしています。

ケースによっては、審査官との面談(電話面談も含む)も積極的に行っております。

 

自社で出願して拒絶理由通知がきたケース、他の弁理士が出願して拒絶理由が発送されたケースなどについても、弊所では中途受任により代理することも可能ですので、拒絶理由通知が発送されて対応が困難な場合には、諦める前に、弊所までご連絡をお願いします。

 

審査官との交渉を得意とする弁理士が責任を持って対応致します。

 

知財の鉄人・弁理士 西村知浩

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