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【発明の名称】
パチンコ機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・・・からなる可変表示器を備えたパチンコ機。
【発明の詳細な説明の抜粋】
パチンコ機を・・・
(発明の詳細な説明では、一貫してパチンコ機について記載されている。)
【発明の名称】
遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・・・からなる可変表示器を備えた遊技機。
【発明の詳細な説明の抜粋】
遊技機を・・・
新規事項の追加に該当する。
出願当初の明細書等においては、一貫して「パチンコ機」のみについて説明されており、パチンコ機が遊技機の一例示にすぎないと認識できるような記載や、「…からなる可変表示器」が「遊技機」一般に適用されるものである旨の示唆すらもない。したがって、出願時の技術常識からみて当該可変表示器を「パチスロ機」等他の遊技機に適用することは容易であるとしても、当初明細書等の記載において、当該可変表示器が「遊技機」一般に適用されるものと理解できる手掛かりが全くない以上、当業者にとって「…からなる可変表示器を備えた遊技機」が当初明細書等に記載されているのと同然であるとはいえない。さらに、この補正が新たな技術的事項を導入するものではないといえる特段の事情も見いだせない。
出願当初の明細書の実施形態には、本願発明のすべての用途や実施例を記載しておくことが理想ですが、時間的にも労力的にもとても困難です。最先に特許庁に出願した者が勝つ先願主義を採用している状況では、明細書の作成に多くの時間を費やすと、第三者の後願者となることがあり、特許権を取得することができなくなります。このため、出願を急いでいる場合には、明細書にすべての実施例を記載するのではなく、本発明がどのような用途に利用できるのか、他の適用例の具体例を思いつく限り、記載しておくことが必要です。仮に実施形態のように構成や作用効果を充実させることができなくても、実施例に限定しない旨を記載しておくことで、後の補正で新規事項の追加と判断されることを回避できます。
本事例では、遊技機の定義を明細書に記載することから検討しましょう。パチンコ機やスロットマシンの他に、本発明が適用できそうな遊技機を具体的に考えて、明細書に記載するべきです。
なお、遊技機の定義づけが難しくてできない場合には、遊技機の具体例を列挙しておくだけでも構いません。この場合には、具体例ごとに対応した独立請求項を立てておくことが無難です。
【発明の名称】
伝票印字システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装置と、該主装置に接続される複数の端末機と、を有すると共に、複数の前記端末機のそれぞれに伝票印字デ ータを印字するプリンタ部が設けられた伝票印字システムにおいて、前記端末機のプリンタ部に記録用紙が無くなったことを検出する紙切れ検出手段と、 前記紙切れ検出手段の出力を前記主装置に通知する紙切れ通知手段と、前記紙切れ通知手段の出力に基づき、複数の前記端末機の内の、前記該当端末機以外の端末機で前記該当端末機で印字すべきであった伝票印字データ全体を印字する代替印字手段とを具備することを特徴とする伝票印字システム。
【発明の詳細な説明の抜粋】
・・・
よって、紙無しのために印字停止されたキッチンプリンタ機器7側の代替印字を行うキッチンプリンタ機器8は、キッチンプリンタ機器8側の本来の伝票印字データを印字できると共に、図面のようにキッチンプリンタ機器7側で印字すべきであった伝票印字データに基づいて、「伝票番号18で卓番号A1で人数3でAランチが個数1で単価が650円であり、Bランチが個数2で単価が700円であり、サラダが個数1で単価が400円であって、合計金額が2450円」の印字も行われる。
【図面】
【発明の名称】
・・・
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装置と、該主装置に接続される複数の端末機と、を有すると共に、複数の前記端末機のそれぞれに伝票印字デ ータを印字するプリンタ部が設けられた伝票印字システムにおいて、前記端末機のプリンタ部に記録用紙が無くなったことを検出する紙切れ検出手段と、 前記紙切れ検出手段の出力を前記主装置に通知する紙切れ通知手段と、前記紙切れ通知手段の出力に基づき、複数の前記端末機の内の、前記該当端末機以外の端末機で少なくとも前記紙切れにより印字ができなかった情報を印字する代替印字手段とを具備することを特徴とする伝票印字システム。
【発明の詳細な説明の抜粋】
・・・
新規事項の追加に該当する。
「少なくとも前記紙切れにより印字ができなかった情報を印字する」は、伝票印字データのうち、紙切れ状態に至るまでの印字情報を印字せずに、紙切れにより印字ができなかった情報を印字するものを含む。 出願当初の明細書等には、伝票印字データ全体を再度送信して、代替印字を行うことが記載されている。伝票印字データのうち、紙切れ状態に至るまでの印字情報を印字せずに、紙切れにより印字ができなかった情報を印字するためには、 伝票印字データのうち、紙切れ状態に至るまでの印字情報とそれ以降の印字情報を区別して、後者の印字情報のみを送信する必要があるが、これは出願当初の明細書等に記載されていない。さらに、この補正が新たな技術的事項を導入するものではないといえる特段の事情も見いだせない。
請求項に「少なくとも」と記載すれば、様々なバリエーションを追っかけるのが特許庁の審査官です。様々なバリエーションが明細書に記載されていなければ、明細書に記載されている概念よりも広い範囲で発明が成立することになります。出願人も補正で「少なくとも」と記載している以上、バリエーションを想定(検討)しているはずなので、出願当初の明細書にそのバリエーションが記載されているか否かを補正時に確認する必要があります。
本事例では、出願当初の明細書に、伝票印字データ全体を再度送信して代替印字を行うことだけでなく、伝票印字データのうち、紙切れ状態に至るまでの印字情報とそれ以降の印字情報を区別して、後者の印字情報のみを送信して代替印字を行う実施例も記載しておくべきでした。これは、「前記紙切れにより印字ができなかった情報」の定義づけができなかったことにより、発明の範囲を狭くした典型例ですので、やはり明細書における定義づけは最も重要なポイントといえます。
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