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付記弁理士 西村 知浩
特許異議申立事件や特許無効審判では、特許権者側が特許請求の範囲などを訂正するため、訂正請求書を提出することがあります。
実際に訂正請求書を作成してみると、通常の特許出願における補正書とは、かなり勝手が違います。
特に注意が必要なのが、「一群の請求項」という考え方です。
訂正請求では、まず、特許全体に対して訂正を請求するのか、それとも請求項ごとに訂正を請求するのかを検討します。
この違いは、訂正請求書の「請求の趣旨」の記載にも表れます。
「特許全体に対して請求」するのか、「請求項ごとに請求」するのかを明確にし、請求項ごとに請求する場合には、その請求の単位が分かるように記載する必要があります。
このあたりは、通常の特許補正とは異なる訂正請求特有の手続です。
さらに、請求項ごとに訂正請求をする場合には、一群の請求項という概念が出てきます。
これは、訂正前の特許請求の範囲における請求項同士の関係によって決まります。
例えば、訂正前の請求項が1~30まであり、請求項2~30が直接的または間接的に請求項1を引用する従属請求項であるとします。
この場合、請求項1を訂正すると、その訂正の影響を受ける請求項2~30も含めて、一群の請求項として扱われることがあります。
ここで注意したいのは、請求項2~30の文言を実際には変更していない場合でも、一群の請求項として訂正の対象となり得ることです。
つまり、「文言を変更した請求項の数」だけを見ていればよいわけではありません。
このような制度を考えると、請求項同士の引用関係が、権利化後の訂正手続にも影響することが分かります。
特許出願時には、発明をどのような請求項構成にするかという点に目が向きがちです。
しかし、特許が登録された後に異議申立てや無効審判を受ける可能性まで考えると、請求項同士の関係をどのように設計するかという問題も重要になります。
特許請求の範囲は、単に権利範囲を決めるだけではありません。
将来の訂正や権利行使まで見据えてクレームを設計する。
こうした視点も、特許実務では重要だと感じます。
訂正請求書には、訂正した特許請求の範囲、明細書または図面などを添付します。
その記載方法には細かなルールがあり、通常の補正書とは異なる注意が必要です。
例えば、訂正箇所には下線を付し、削除する場合には「(削除)」と記載するなど、訂正前の請求項番号との関係にも注意しなければなりません。
訂正請求では、単純に請求項の文章を書き換えればよいというものではありません。
どの請求項を、どの単位で、どのような関係で訂正するのか。
これを正確に把握したうえで、訂正請求書を作成する必要があります。
特許異議申立てや特許無効審判では、特許請求の範囲のどこを訂正すれば取消しや無効を回避できるのかという実体的な検討が重要です。
しかし、それと同時に、訂正請求をどのような単位で行うのかという手続面の検討も非常に重要です。
一群の請求項、訂正の単位、訂正箇所の表示、添付書類など、確認すべき事項は少なくありません。
実務では、こうした細かなルールを一つずつ確認しながら手続を進める必要があります。
私自身、実際に訂正請求書を作成する中で、特許の訂正は通常の補正とは違う独特の難しさがあると改めて感じました。
特許実務では、クレームの内容だけでなく、その後の訂正や審判まで見据えて考えることが重要です。
特許庁では、審判・異議申立てにおける証拠説明書の記載方法や、Webページを証拠とする場合の取扱いについて資料を公開しています。
実際に証拠を提出する際には、最新の特許庁の取扱いを確認することが重要です。
他所の特許事務所の弁理士が出願代理して特許登録され、それに特許異議申立てがされた事件で取消理由通知が来ました。
取消理由通知後、その事件を中途受任した私の実体験。
特許庁審判合議体から2度の取決理由通知が出されて、絶体絶命のピンチです。

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