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商標登録異議申立で一部取消決定を得た実例|商標法3条1項3号と証拠収集の重要性

商標登録されたからといって、その商標権が常に事業者にとって適切な権利であるとは限りません。

実際の商標登録を確認すると、「この商標が登録されていることによって、事業活動に支障が生じるのではないか」と考えられるケースがあります。

そのような場合に検討できる手続の一つが、商標登録異議申立です。

私はこれまで、商標登録に対する異議申立について、登録商標の識別力や使用実態などを検討し、必要な証拠を収集したうえで対応してきました。

今回は、その中から、2件の商標登録異議申立について、いずれも一部取消決定を得た事例をご紹介します。

私が単独で代理した事例は、下記の2件です。

①異議2023-900242(商標登録6731581号)

②異議2023-900243(商標登録6731582号)

商標登録異議申立のきっかけ

今回の案件は、商標権者から依頼人に対して警告が行われたことがきっかけでした。

依頼人の事業との関係で問題となる商標登録について、その登録内容や商標の使用実態などを検討したところ、登録された商標について、商標法上の登録要件との関係から検討すべき問題があると判断しました。

そこで、商標登録異議申立によって、その登録に取消理由が存在するかを争うことになりました。

重要だったのは「証拠」の収集

商標登録異議申立では、単に「この商標は登録されるべきではなかった」と主張するだけでは十分ではありません。

なぜ登録に問題があるのかを、具体的な証拠によって裏付けることが重要です。

今回の案件でも、問題となる商標や指定商品・指定役務について調査を行い、商標がどのように使用されているのか、需要者にどのように認識され得るのかなどを検討しました。

特に、インターネット上の情報などについては、単に同じ言葉が使用されているという事実だけで判断するのではなく、

  • 誰が使用しているのか
  • どのような商品・役務について使用しているのか
  • どのような文脈で使用されているのか
  • 需要者にどのような意味として認識されるのか
  • 商標としての識別力との関係でどのような意味を持つのか

といった点を総合的に検討する必要があります。

つまり、証拠を集めること自体が目的なのではなく、その証拠が商標法上のどの要件をどのように裏付けるのかを考えることが重要です。

商標法3条1項3号が問題となった事例

今回の案件では、商標法3条1項3号との関係が重要な論点となりました。

商標法3条1項3号は、商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状などを普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について、原則として商標登録を受けることができない旨を定めています。

もっとも、実際の判断では、商標を構成する言葉だけを形式的に見るのではなく、指定商品・指定役務との関係や取引の実情、需要者の認識などを踏まえて検討する必要があります。

そのため、拒絶理由通知や異議申立において引用されるインターネット上の使用例についても、「その言葉が使用されている」という一事だけで識別力が否定されるわけではありません。

どのような場面で、どのような意味で使用されているのかを丁寧に分析することが必要です。

2件の異議申立で一部取消決定

今回、私が代理人として対応した2件の商標登録異議申立について、いずれも一部取消決定が出されました。

その結果、依頼人の事業と抵触する部分について商標登録が取り消されることとなりました。

商標権について警告を受けた場合、単にその警告に対して反論するだけでなく、そもそも相手方の商標登録自体に問題がないのかという視点から検討することが重要です。

もちろん、すべてのケースで異議申立が有効とは限りません。

商標の内容、指定商品・指定役務、登録に至った経緯、実際の使用状況、証拠の有無などを総合的に検討したうえで、異議申立、無効審判、侵害対応その他の手段を選択する必要があります。

商標権の問題は「登録後」も重要です

商標業務というと、「商標登録をするための出願」をイメージされる方が多いかもしれません。

しかし、実際の知財実務では、商標登録後に問題が発生することも少なくありません。

例えば、

  • 他社から商標権侵害の警告を受けた
  • 自社の事業と抵触する商標が登録されている
  • 他社の商標登録に問題があると考えている
  • 登録商標の指定商品・指定役務について問題がある
  • 商標登録異議申立を検討したい
  • 商標登録無効審判を検討したい

といったケースがあります。

このような場合には、単に「商標を登録する」という発想だけではなく、登録された商標権をどのように評価し、自社の事業をどのように守るかという視点が必要になります。

私は、商標出願・拒絶対応だけでなく、商標登録後の異議申立、審判、侵害警告など、商標をめぐる紛争・問題についても、個々の事案に応じて検討しています。

商標権について問題が生じた場合には、まず登録内容と実際の事業との関係を整理し、どのような対応が可能なのかを検討することが大切です。

商標法3条1項3号では独占適応性が認められるか否かがポイントになります。

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